シックデイについて

こんにちは南町薬局の金野です。

皆さんシックデイってご存知ですか?糖尿病治療に関わる事になりますので、血糖値を下げる薬を飲んでいる方はぜひご覧になって下さい。

 

シックデイとは?

風邪など感染症にかかり、熱、下痢、嘔吐、食欲がない等の状態。体調が悪い日。

シックデイの時には血糖値が上下しやすくなる事が分かっています。また、体調が悪い時は薬の副作用も出やすくなります。そのため薬を中止したり、減量あるいは増量する対応が必要になる場合があります。

 

何故血糖値が上下するのか?

・ストレス

体調が悪い時、体はストレスを感じています。ストレスを感じると体は血糖値を上げるように働きます。血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きも悪くなります

・食事が摂れない

・脱水

食事が摂れないと血糖値は下がりますが、水も飲めない状態や、酷い下痢、嘔吐があると血液は濃くなります。当然血糖も濃くなり、結果的に血糖値が高くなってしまうこともあります。

 

シックデイになったら

もしシックデイになってしまったら、血糖値は上下する可能性があります。状況に応じて、薬を中断、減量、あるいは増量する必要があります。

糖尿病で受診している方はシックデイの対応について主治医と話し合っておきましょう。

 

シックデイの対応

ここでは一般的な対応方法を紹介します。

・ビグアナイド系薬(メトグルコ、グリコラン、メトホルミン、ジベトス、ブホルミン)は中止する

メトホルミンは乳酸を溜めやすくする副作用があります。乳酸が溜まると血液は酸性に傾きます。

シックデイでインスリンの働きが悪くなるとエネルギーとして血糖を利用できず、脂肪を利用します。脂肪を利用してエネルギーを作ると、ケトン体という物質が作られます。この物質も血液を酸性に傾けます。

つまり、シックデイ中にメトホルミンを服用していると血液が酸性に傾きすぎてしまう事があります。

これをアシドーシスと呼びます。

アシドーシスでは吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の症状が出やすいです。重症化すると昏睡状態になる事もあります。

体調が悪い状態ではもともと上記の症状が出ている場合も多いでしょう。アシドーシスか鑑別することも難しいです。

重症化しないように中止しておきましょう。

 

・SGLT2阻害薬(ジャディアンス、スーグラ、ルセフィ、デベルザ、カナグル)は中止する

SGLT2阻害薬は利尿作用があり脱水を引き起こす薬です。

食事ができない、嘔吐や下痢がある場合は脱水がひどくなる可能性があります。脱水では血液が濃くなるため、血糖値が上がってしまいます。

血糖を下げるために飲んでいる薬なので逆効果ですね。中止しましょう。

 

・インスリン製剤は中止しない

シックデイ中はインスリン自体の働きが悪くなるため、注射を止めるとさらに高血糖が悪化します。

食べられないから打たない方が良いと思ってしまいますが、絶対にやめてはいけません。

自己血糖測定で血糖値の確認が求められたり、薬を増量することもありますので、インスリン製剤を使用している方は特に注意が必要です。対応に悩むときは主治医に相談しましょう。

その他の薬は状況に応じて減量、中止を検討します。

 

食事で気を付ける事

血糖値を安定させるために炭水化物を摂取しましょう。うどんやおかゆがおすすめです。

全く食欲がない時はゼリーやアイスでも良いので食べやすい物を食べましょう。

脱水予防に水分摂取も重要です。ミネラルも一緒に摂るように、スープや味噌汁、ポカリスエットやOS-1等のイオン飲料を摂取しましょう。

まとめ

シックデイでは薬を調整して服用することがあります。そのような状況になった時に判断に迷わないよう、主治医とあらかじめ相談しておきましょう。

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