爪の水虫について

こんにちは、南町薬局の金野です。

今回は爪の水虫についてです。爪の水虫はできるとなかなか治らず厄介なものです。ご存じない方も現在罹患中の方も是非ご覧ください。

爪に水虫ができるの?

水虫と言えば、足の裏や指の間にできるイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。

実は爪にも水虫はできます。足の裏や指にできた水虫を放置した結果、爪の水虫になる場合が多いです。日本人の約10%は爪に水虫ができている(爪白癬)と言われています。

 

原因菌は?

爪の水虫は爪真菌症といわれ、そのほとんどが白癬菌を原因とする爪白癬です。その他にはカンジダ菌、マラセチア菌などを原因とする爪真菌症もあります。

ここからは原因の多くを占める爪白癬について説明していきたいと思います。

 

どんな症状?

爪が厚くなったり、白く濁ったりします。爪が変形することもあります。痛みやかゆみはほぼありません。

白癬菌に感染した部位は脆くなっていることが多いです。

ただし、爪白癬以外にも爪が厚くなったり変色する病気があります。個人では判断せず、病院で顕微鏡検査を行うなど検査してもらうことをお勧めします。

 

爪白癬を放置すると?

爪白癬は爪が厚くなったり、色が変わるだけなら治療しなくてもよいのでは?と思った方もいらっしゃるでしょう。実は足の爪は地面からの圧力を支える役割を持っています。よって爪の状態が悪いと踏ん張りが効かなくなり、歩きにくくなったり、転びやすくなります。

爪白癬は放置せず、治療することをお勧めします

 

爪白癬の治療法

基本的には飲み薬を使用することが多いです。

なぜかというと爪にはなかなか薬が浸透しないものなのです。爪用の塗り薬もありますが、改善率が低いです。1年使用して約15-30%の改善率です。

飲み薬では種類によりますが、約60-80%の方が改善します。薬の種類によって服用期間は様々ですが、約1年もあれば改善することが多いです。しかし、肝臓への副作用があり定期的な肝機能検査が必要だったり、飲み合わせが悪い薬が多いデメリットがあります

副作用の面もあって、飲み薬、塗り薬どっちがいい?と聞いてくれる医師もいるかもしれません。副作用が怖いからと塗り薬にするとデータ上治りにくくなる可能性があります。飲み薬がおすすめです。

 

塗り薬の使い方

これは私見ですが、塗り薬の改善率が悪いのは塗り方が悪い可能性もあると思います。

塗り薬を使用している方は、まず、爪には薬が浸透しにくい事をしっかり理解してください。

お風呂上りに塗る

薬は1日1回お風呂上りに塗ってください。なぜならお風呂上りは爪自体が柔らかくなっているためです。爪に薬が浸透しやすくなります。

爪はできるだけ切る・削る

厚くなったり、色が変わった部分は切る、削るなどしてできるだけ取り除きましょう。菌は爪の下にいるため、厚くなった爪を薄くしたり余分な部分を切ることで薬が届きやすくなりますただし、爪がなくなると、歩きにくさを感じたりや転倒しやすくなってしまうので、やりすぎないように注意してください。

 

まとめ

爪の水虫(爪白癬)は放置せず、病院を受診して治療しましょう。薬は飲み薬の方が効果が高いです。

塗るタイミングはお風呂上りに。厚くなったり、色が変わった部分の爪はできるだけ取り除くようにしましょう。ただし、やりすぎは禁物です

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