血圧の薬で咳が出る?

こんにちは南町薬局の金野です。

今回は副作用で咳が出ることがある血圧の薬についてお話し致します。

同じ種類の薬を服用されている方の副作用発見につながれば幸いです。

咳が出る血圧の薬とは?

いわゆるACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬と呼ばれる血圧のお薬です。

心臓を保護する効果もあり慢性心不全の患者様にも用いられます。

ACE阻害薬一覧

先発品 後発品(GE医薬品)・一般名
カプトリル カプトプリル
レニベース エナラプリル
ロンゲス リシノプリル
コバシル ぺリンドプリル
チバセン ベナゼプリル
オドリック トランドラプリル
アデカット デラプリル
エースコール テモカプリル
タナトリル イミダプリル
セタプリル アラセプリル

成分を見たときに「~プリル」と書かれていればそのお薬になります。

なぜ咳が出るのか?

ACE阻害薬は副作用でブラジキニンという酵素の分解を抑制します。

するとブラジキニンの量が増えるため、余計な作用が出てきてしまいます。

その作用の一つに咳が出やすくなるというものがあるのです。

ブラジキニンの作用

血管拡張・血圧低下・血管透過性の亢進

血管平滑筋を弛緩させ血管を拡張します。これにより血圧が低下します。

また、血管壁の透過性を高め血漿成分が組織に移行しやすくなります。

これによりむくみや炎症が引き起こされます。

喉の血管が広がると喉の腫れを感じる場合があります。

炎症反応の促進・痛みの発生

炎症に係る物質(プロスタグランジンやヒスタミンなど)の生成を促し、炎症反応を促進します。

末梢神経の痛み受容体を刺激し痛みを感じさせます。また、神経を過敏にして痛みを感じやすくさせます。

気道の収縮・刺激

気道平滑筋を収縮させることで気道を狭くします。これにより喉の狭窄感を感じる場合があります。

また、気道の感覚神経を刺激し咳受容体を活性化させます。

これにより咳反射が起こりやすくなる=咳が出やすくなります。

副作用による咳の特徴

痰が絡まない乾いた咳が続く

のどの痛み・腫れ・狭窄感がある

ブラジキニンは気道平滑筋や血管にも作用するのでのどに違和感がある場合も疑わしいです。

薬を中止することで改善するので、おかしいなと思ったら相談しましょう。

まとめ

今回は血圧の薬で起こる副作用について解説しました。

一般常識の範疇では血圧の薬を飲んで咳が出るとは想像つかないのではないかと思います。

薬の副作用には思いもよらないものもありますので、何かおかしいと思うことがあれば何でも話してみることをお勧め致します。

南町薬局では健康相談も行っておりますので、いつでもご相談お待ちしております。

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